住宅ローン減税における2022年入居控除率の例外
更新日:2023年1月11日
2022年(令和4年)からの入居については、住宅ローン減税の控除率がこれまでの
1%→0.7%
に変わったことが特に大きな変更点ですが、例外として1%の控除率が適用される場合があります。
その対象は下表の最上段部分の説明です。
わかりにくい表現ですが、「特別特例取得」などと用語が決められています。
国税庁サイトを引用して加筆すると
特別特例取得
その住宅の取得等が特別特定取得(消費税10%)に該当する場合で、当該住宅の取得等に係る契約が次の期間内に締結されているものをいいます(新型コロナ税特法6条の2①、新型コロナ税特令4条の2①)。
(1)新築(注文住宅)の場合
2020年(令和2年)10月1日から2021年(令和3年)9月30日までの期間
(2)分譲住宅、中古住宅の取得、増改築等の場合
2020年(令和2年)12月1日から2021年(令和3年)11月30日までの期間
そもそも、上記の期間の契約でも2021年に入居していれば、何の違和感もなく控除率が1%となります。
しかし、工事完成までに期間があっても、上記の特別特例取得等にあたり、2022年(令和4年)末までの入居であれば、0.7%ではなく1%となる例外規定です。
例えば、工期の長いマンションなどで、この例外規定に該当する入居者が多くいらっしゃると思います。
この特別特例取得等にあたる場合には、省エネ基準の規定がない時点での制度適用となるので、通常は4,000万円の13年として計算します。(11〜13年目は別の条件も加味しますが省略します。)
逆に、この特別特例取得等に当てはまらないのはどのような場合かと考えると、
2021年10月以降の新築住宅請負契約
2021年12月以降の新築や既存住宅の売買契約
入居が2023年以降
などのケースでしょう。
マンションを例とすると、各住戸の契約日は分散しており、また販売計画や実際の売れ行きなどによって、これらの期間を跨いだりというのが、まちまちになりますから、一概にご近所さんと条件が同じとも言えない状況です。
同じ2022年の完成引渡しだとしても、2021年11月までに完売したのであれば、ローン控除率は1%ですが、2022年に販売開始したならば全戸0.7%であり、それらが混在するマンションも多くあると予想されます。
おそらく、住宅の取得の際にはローン減税のシミュレーションなどをしていることが多いでしょうから、あまり間違えることは無いかと思いますが、自らがどの制度に当てはまるのかを確認しておくのが良いでしょう。
できれば、税理士などの専門家や税務署に聞くのが安心です。
いちおうこのサイトの目的は、住宅省エネルギー性能証明書の発行ですから、2021年12月以降の売買契約なら、省エネルギー性能を確認することをご提案いたします。
ここのサイトや住宅事業者のアドバイスも含め、一般的な説明を参考にするとしても、個別に細かく条件が変われば、結論も異なってくる場合があります。
確定申告をされる方は、自らの問題として責任を持ってお調べください。
ところで、はたまた余談ですが、国税庁の用語の定義に記載があるとおり、
特例特別特例取得
とか
特別特定取得
などと、非常にわかりにくく紛らわしい別の意味する用語があります。
あまりにこのようなワードを連発していると、その言葉の意味そのものよりも、わかりにくさの方が目立ってしまい、より理解を難しくしています。
コロナの混乱や政治的な要望を受けながら、苦肉の策で命名したのでしょうか?
これまで入居日ベースで制度が適用されていたにも関わらず、契約日の概念を持ち込んだので、この措置は特別なんだよ。例外的なんだよという想いが強く滲み出ている名称です。
消費者や対応する税務署の方々もたいへんな思いをしているだろうと予想し、関係者の苦労が偲ばれます。
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